マムブロ

福岡の小さなデザイン屋「mamu design」のブログです。 デザインの話、健康オタクな話、子育て、食育など…日々のちょっとした話を紹介しています。

デザイナーになったきっかけ。

初めまして。
「mamu design」のmamuです。
始めてのブログなので、ここは真面目に「デザイナーになったきっかけ」を書こうと思います。

小さい頃から絵を書く事が好きでした。
その頃は「デザイナー」なんて言葉は知らず、「絵描きさん」になりたいと思っていました。
高校卒業時の進学を決める時期、親に美大かデザインの専門学校に行きたいと伝えました。ですが私の家は母子家庭でお金も無く、手に職も無く苦労した母は「保育士・調理師・美容師・看護婦」の4択から選ぶ事しか許しませんでした。
なんとなく「美容師」が芸術に近いなぁ…と思った私は美容師の道へ。

美容専門学校を出て、美容師をしていましたが、元々敏感肌で手はボロボロ。いつも指から血が出ている状態。
それでもカラーリングだけは配合が上手という事でお客さんも付き、任される事も多くなりました。

その客様の一人の若いお兄さん。デザインの専門学校に行ってました。デザインの楽しさ、そのうち就職活動、就職決まったよ!という話まで!
正直、話聞いていて羨ましくなり、何かなんともいえない衝動に突き動かされました。

そんな悶々としていたある日、月に1回来られるお客様の92、93?歳の常連のおばあちゃんがご来店。
いつもお着物を着て、品があり、付き添いのお嫁さんとご一緒。
私はいつもシャンプーとマッサージの係。

マッサージ中にいつもあまりお話されないおばあちゃんが私の顔を見て言いました。

「あなたは若いんだから、今のうちに好きな事を全部しておきなさい。
 一生に1回の人生なんだから。」

その時私には天使が舞い降りて来たように感じました!
どっかーん!と心臓にパンチくらった状態になりました!!!
うわー!見透かされてたー!とも思いました。
90代の方に言われたら、本当に説得力があり、「あぁ、私自由に生きてもいいんだー」とも思いました。

その日帰宅してからデザイン学校を調べまくり、資料を送ってもらい、母に相談しました。
もちろん母は反対しましたが、資格を取ったら辞めていいと言われ、後日丁度試験を控えてたので一発で合格し、すぐ辞めてしまいました。

当たり前ですが資金はお願いできなかったので、掛け持ちしながらバイトし、1日おきに学校に行き、学費と生活費を稼ぎ、1日2時間程度しか寝れない生活をしていました。
でも今となれば、今までの人生で一番充実し、楽しかったような気がします。

おばあちゃんの一言がなければ、私はデザインの道を歩んでなかった。
20年近く前なので、もう本当の天使になられてるかも?しれませんが、本当に感謝しています。
自分の言葉で人の人生を豊かにしたんだよ。と伝えたいです。

自分も人の人生をデザインの仕事を通じてちょっとだけでも豊かにできたらな。
そう思っています。